瞼
なんだか死にたくなる夜がある。布団に潜り込んで、好きな音楽を聴く。枕元の小さな白熱球を付けて、本を開く。重低音と文字が頭を通り抜ける。
ねんね ねんねこ ねんねここ
だんだん深まっていく眠気と陰鬱な感情に押しつぶされて、自我が崩れ落ちる。
瞼を閉じると広がる一面の灰色に、
抗う気力も吸い取られる。